男性ホルモンを増やすトレーニングと減らすトレーニング

男性ホルモンを増やすトレーニング

何事もやりすぎは良くないですが、体にいいはずの運動だって同じことです。運動のやりすぎは、男性ホルモンの分泌に悪影響があります。

 

マラソンのように過酷なスポーツにハマっている人は、要注意と言われています。

 

逆に男性ホルモンを増やすトレーニングもあります。

 

前にも紹介しましたが、トレーニングで筋肉に刺激を与えると、血液中のテストステロン(主要な男性ホルモン)の数値が高くなることがわかっています。これは、男性ホルモンが筋肉で消費されるためなのです。

 

運動で筋肉が刺激されると大量のテストステロンが分泌され、筋肉に運ばれます。筋肉細胞のアンドロゲン・レセプター(男性ホルモン一受容体)にテストステロンがくっつくと細胞分裂を促進して筋肉を増やし、使われたテストステロンは消えてなくなります。

 

実際、フルマラソンのような激しい運動をした直後には、血液中のテストステロン量がガクッと下がることが確認されています。

男性ホルモンが回復するのには、3ヶ月かかります。

テストステロンが「運動で消費される」証拠として、前立腺がんは、テストステロンをエサに成長する性質を持っています。そのため、治療では手術でがんを摘出するとともに、テストステロンを抑える薬が欠かせません。

 

一方で、前立腺がんの経験者が運動すると、再発や転移が少なくなることも確認されています。

 

例えば、2,750人の前立腺がん患者を追跡調査し、た米ハーバード大学の研究があります。そのうち117人に、がんの再発・転移・死亡が見られたのです。

 

そのリスクを1.0とした時、「週3時間以上のウォーキング(早歩き)」をした人のリスクは、0.4に抑えられたのです。

 

これは「運動でテストステロンが使われた結果、前立腺に向かう量が減ったためではないか」と言われています。

 

実際、前立腺がんになった人が長距離を走ると、「前立腺がんの指標となるたんぱく質PSA(前立腺特異抗原)とテストステロンが、どちらも走る前の半分に減っていた」といいます。

 

運動でテストステロンが消費されるなら、「運動のやりすぎ」は、マイナスになってしまいます。

 

いくら運動が体にいいと言っても、やりすぎはテストステロンとの関係から見ても良くないのです。

 

40代や50代の市民ランナーが、一念発起してマラソン大会に出ると、大会に向けてテストステロンの分泌量は増えていき、完走直後にその分泌量はガックリ落ちます。

 

元のレベルに戻るまでには、想像以上の時間がかかると指摘されています。その時間は、何と「2~3ヶ月」かかると言われています!

 

1ヶ月後に再びマラソン大会に出ると大幅にテストステロンが下がり、なかなか元に戻らないことになります。

 

ひどい場合は、そのままLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)になってしまうこともあります。

 

LOH症候群とはテストステロンの低下によって、頭痛、不眠、筋肉が減り、骨がもろくなるなどの身体症状のほか、精神面にも影響する病気です。

 

放っておけば、命にもかかわるとも言われています。

 

それを防ぐため、1度フルマラソンを走ったら、次のマラソン大会まで3ヶ月はリカバリー(休息)期間を取ることをお勧めします。

1ヶ月200km以内のランニングトレーニングにしておきましょう。

ランナーズ・ハイという言葉もあるように、長距離走には独特の快感があります。

 

管理人も、週末はランニングを続けていますが、やはり走り終わった後は、何とも言えない爽快感と達成感があるのでやめられません。

 

また、ランニングは、頑張れば頑張るだけ、どんどん長い距離を走れるようになっていきます。やがて念願のフルマラソンを完走できた時は、更に大きな達成感を得られます。

 

そのため、つい頑張り過ぎてしまう人も多いのではないでしょうか。

 

統計上、1ヶ月に200km以上走るとケガの発生率がグッと高まります。それは、テストステロンが低い状態で運動を続けるせいではないかという研究結果もあります。

 

普通の市民ランナーであれば、1ヶ月の走行距離は、200キロメートル以内が目安と考えていいと思います。

走るトレーニングで男らしさをキープ!

メジャーリーガーのイチロー選手は、怪我をしないことで知られています。

 

彼のように40代になっても活躍するスポーツ選手の共通点は、頑張る時は頑張り、休む時はしっかり休むことに徹しているからです。

 

と言っても、まったく運動しないのも良くないことは言うまでもないでしょう。運動しないとテストステロンが「使われない」のですから。

 

筋肉を使わないと細くなるように、作る必要が無くなることで、どんどんテストステロンの生産力が落ちていきます。

「たくさん分泌して、たくさん使う。」激しい運動をしたら、しっかり休む。

 

分泌と消費を繰り返すことで、いざという時にテストステロンが出る男になる。

 

テストステロンが高い状態をキープし、男らしさを保つにはリズムが大切なのです。

テストステロンを高める下半身筋力トレーニング

テストステロンを高めるには、筋肉量を増やすことはよく知られています。

 

それも、上半身よりも、お尻や太ももなど「下半身の大きな筋肉」を鍛えた方がいいことも知られています。

 

ですから、ランニングのほか、テニスやサッカーなど、走るトレーニングが効果的ということになります。

とは言え「本格的」なランニングは、ハードルが高いかもしれません。

 

そこで、管理人も続けている「手軽にテストステロンを上げられる運動」を紹介します。これは、週末のランニングの後に必ずやっているトレーニングです。

 

1 スロースクワット
両足を肩幅に開いて立つ。膝を前に出さず、かかとを地面から離さずに、落とせるところまで腰を落とします。

「3秒かけて落とし、グッと上げる」「グッと落とし、3秒かけて上げる」「3秒かけて落とし、3秒かけて上げる」をそれぞれ10回ずつ。最初はきついですが、慣れてくるとできるようになります。

2 スローランニング
時速、10km以下(自転車より遅い速度です)、1kmを7~9分のゆっくりしたペースで20分~30分間走る。

3 なんちやってトライアスロン
水泳、自転車、ランニングを続けて行うトライアスロンは、全身の筋肉にバランスよく刺激を与えるため、テストステロンの分泌が非常に高まる競技だと言えます。

 

本格的なトライアスロンは、それこそハードル激高で二の足を踏みますが、それぞれの距離を短くした市民大会もあります。

 

管理人は、雨の週末などは、市民センターのトレーニング施設を利用しています。まず、ランニングマシンで30分ゆっくり走り、自転車を20分、一息入れた後、プールで20分ほど泳いでいます。

 

これでも十分トライアスロンに近いものなので、テストステロンの増加には役だっていると思っています。

 

それに、自分のペースで出来るのが一番いいですね。

 

もう少し本格的にトライしたい方は、市民大会や自治体が実施している、ミニトライアスロンにトライしてみてもいいでしょう。

トレーニングのまとめ

要は、40代、50代になって無理なトレーニングを続けても、テストステロンは「増えない」ということです。

 

自分の生活パターンと体力に合わせたトレーニングが理にかなっている、ということですね。

 

また、運動で体脂肪を減らすことも有効です。太るとプロラクチンというホルモンが出て、テストステロンの分泌が減ってしまからです。

 

生活習慣病を防ぎ、テストステロンをがんがん出すためにも、自分に合ったトレーニングから始めるのが長続きするコツですね。